高齢化社会での「相続の準備」の重要性

今朝は東京も雨が降りましたが、梅雨らしくない天候が続きますね。
さて、今日は高齢化社会で「相続の準備」の重要性が高まっている、という話です。
高齢化社会の進行
ご存じの通り、日本では他国以上に高齢化が進行しています。
高齢化が進めば、亡くなる方の数も増えます。2025年に団塊の世代が全員75歳以上となりました。2024年の日本の死亡者の数は160万人を超え、2040年ごろがピーク、2070年ごろまで年間150万人以上の死亡者数が続くと予測されています。
核家族化の進行
また、核家族化も進行しています。かつては、親と一緒に住んでいるという家庭はよくありましたが、仕事や教育環境などの利便性を考えれば都市部で生活する方がなにかと便利ですし、そうした人たちは実家には戻らないという方も多くなります。
別々に暮らしていると、日ごろのコミュニケーションが希薄になります。相続の相談をする機会などほとんどないでしょう。
相続は十人十色
人が亡くなった数だけ相続があり、その数は増えていますが、自身が相続の当事者になるケースはそう多くありません。親の相続は多くの場合、父と母の2回だけでしょう。両親のいずれかが亡くなった時に初めて様々な「相続手続き」を経験することになります。
ましてや「自分が亡くなる」のは一度だけ(あたり前ですが・・・)。自分が亡くなった後に発生する「相続手続き」はあとに残される人たちが行うことになります。
自分が、あるいは親が死ぬときのことなど考えたくないという気持ちもわかりますが、相続の発生によって残された人たちがもめる、困るのは本意ではないでしょう。
高齢化が進む社会ではより「相続の準備」が必要
かつてのように「家督相続」という制度があった時代や、親と同居している跡継ぎの子がいて、ほかの相続人もその状況を受け入れている、というならまだしも、親と子が離れて暮らすのが一般的となった今の世の中では、昔以上に「相続の準備」が重要になっているといえます。
人が亡くなるとき、その人を取り巻く状況は様々です。財産の内容、相続人の数や関係性、まったく同じ人はいません。「相続の準備」も何をするべきかは人それぞれ。他の方の事例はあまり参考になりません。
自分にとって、家族にとってどんな「相続の準備」が必要なのかを考えることから始める必要があります。
特に高齢化が進む今の社会では「相続人も高齢」ということも少なくありません。
相続人の誰かが認知症になってしまっていたり、体調が思わしくなく遺産分割協議ができない、進められないといったケースもあります。
「相続の準備」を始めるタイミングは「早すぎる」ということはありません。「まだ大丈夫」と思っているうちに時間が過ぎていき、「そろそろ考えないと」と思った時には何から手を付けてよいかわからず、結局何もしないままになってしまうケースも数多くあります。
今のような「高齢化社会」だからこそ、「相続の準備」の重要性は増しています。