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障害のあるお子さまの「親亡き後」に備える相続対策― 成年後見制度と任意後見をどう考えるか ― 障害のあるお子さまの「親亡き後」に備える相続対策― 成年後見制度と任意後見をどう考えるか ―
障害のあるお子さまの「親亡き後」に備える相続対策― 成年後見制度と任意後見をどう考えるか ―

障害のあるお子さまの「親亡き後」に備える相続対策― 成年後見制度と任意後見をどう考えるか ―

ブログ 2026.02.19

障害のあるお子さまをお持ちの親御さまにとって、相続対策は単なる節税の問題ではありません。

本当に大切なのは、自分がいなくなった後も、わが子が安心して生活を続けられる仕組みを整えることです。

そのために考えるべきことは、主に次の四点です。

  • 将来の生活費はいくら必要か
  • 公的年金や手当でどこまで賄えるか
  • 不足額をどう補うか
  • その財産を誰が、どう管理するか

特に最後の「管理の仕組み」は極めて重要です。ここで必ず検討対象となるのが、成年後見制度と任意後見契約です。

 

成年後見制度とは何か

成年後見制度は、判断能力が不十分な方を法的に支援する制度です。
家庭裁判所が後見人を選任し、本人に代わって財産管理や契約行為を行います。

例えば、

  • 銀行口座の管理
  • 不動産の売却
  • 施設入所契約
  • 悪質商法への対応

といった重要な手続きを、法的代理人として確実に進めることができます。

障害の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の類型があり、支援範囲が決まります。

 

成年後見制度のメリット

 

最大の強みは、法的な強さと確実性です。

後見人は正式な代理人であり、不利な契約を取り消すことも可能です。金融機関や不動産会社との取引でも問題なく対応できます。また、後見人は家庭裁判所への報告義務があるため、財産管理の透明性も高く、きょうだい間のトラブル抑止にもつながります。

専門職後見人が選任されれば、兄弟姉妹の事務的負担を軽減できる点も現実的なメリットです。

 

一方で、見逃せないデメリットも

 

成年後見制度は“守り”には強い一方で、柔軟性に欠ける面があります。

原則として終身継続

一度開始すると、原則として本人が亡くなるまで続きます。
「特定の手続きだけ必要」というケースでも、簡単に終了できません。

財産活用の制約

制度の目的は財産保全です。そのため、

  • 不動産売却には裁判所の許可
  • 積極的な資産運用は困難
  • 生前贈与は原則不可

といった制約があります。生活の質向上のための支出でも、自由度は高くありません。

継続的な費用

専門職後見人が就任すると、年間数十万円の報酬が発生することもあります。長期にわたれば大きな負担となります。

 

任意後見という選択肢

 

こうした課題を補う制度が「任意後見契約」です。

任意後見とは、本人が元気なうちに、将来判断能力が低下した場合に備えて、信頼できる人と契約を結んでおく制度です。公正証書で契約を作成し、実際に判断能力が低下した時点で効力が発生します。

任意後見の特徴は、自分で後見人を選べること、そして契約内容をある程度設計できることです。

例えば、

  • 財産管理の範囲を具体的に定める
  • 生活費の支出方針を決めておく
  • きょうだいとの役割分担を整理する

といった設計が可能です。

親御さまが主導して仕組みを作れる点は、大きな安心材料になります。

 

成年後見制度の見直し議論

 

近年、成年後見制度は「硬直的で使いにくい」という指摘を受け、法務省で見直しの検討が進んでいます。

議論の中心は、

  • 利用期間を限定できる仕組み
  • 支援する行為を限定する設計
  • 類型(後見・保佐・補助)の柔軟化

といった方向です。

つまり、「必要なときに、必要な範囲だけ利用できる制度」への転換が模索されています。

もっとも、現時点ではまだ検討段階であり、実務上は現行制度を前提に設計する必要があります。

 

相続対策としての現実的な考え方

 

西山ライフデザインでは、成年後見も任意後見も「手段の一つ」として考えます。

それ以上に重要なのは、

  • 将来生活費の具体的試算
  • 公的支援制度の確認
  • 不動産の扱いの整理
  • きょうだいとの合意形成
  • 遺言書による分配設計

です。

場合によっては、

  • 任意後見契約
  • 財産管理委任契約
  • 公正証書遺言
  • 生命保険の活用

を組み合わせることで、より柔軟で現実的な設計が可能になります。

制度を使うこと自体が目的ではありません。

目的は、「親がいなくなった後も、安心して暮らせる環境を整えること。」

相続対策は「お金の話」ではなく、「人生設計の話」です。

 

まずは現状整理から

 

不安を漠然と抱えるのではなく、

  • 財産はいくらあるのか
  • 年間生活費はいくらか
  • 不足額はいくらか

を整理するところから始めましょう。

西山ライフデザインは、障害のあるお子さまを持つご家族の将来設計を、数字と制度の両面から支援します。

親亡き後問題は、準備次第で大きく変わります。
今できる一歩を、一緒に考えていきましょう。

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