ビットコインってどうなの?
年明け、1月7日ごろから下落を始めたビットコイン相場。
昨年12月には一時240万円をつけましたが、1月17日には一時100万円付近まで下落。
17日中に一時130万円付近まで回復したものの1月18日にも一時100万円付近まで下落。
暴落と言ってもよいほどの価格変動です。
いくつかある仮想通貨の中でももっとも規模が大きいビットコインですが、これだけ値動きが荒いのは恐ろしいですね。
私はビットコインを人に勧めたことはありませんが、勧めない理由は値動きの荒さだけではありません。
投資はあくまで自己判断ですからどんな金融商品でも「絶対に買った方がいい」とお伝えすることはありません。
しかしながら、日本は長期にわたって低金利が継続しており、今後も大きく高金利に動くことは当分なさそうな状況を考えると預貯金で蓄えるだけ、というのもリスクがあると考えています。
FPとして、投資に適した金融商品であればご紹介することもあるでしょうし、少なくとも投資についての考え方というのは知っていて損はないことだと思います。
日本人は「投資」に対しネガティブなイメージを持たれていることが多いことは、よく言われることですし、様々な方とお話しする中で実感しています。
「元本が保証されない」すなわち「損することがある」というだけで「ギャンブルの一種」ととらえる人も多いようです。
投資で成功するために最も重要なことは、
- リスクを分散すること
- 価格、評価額は何に影響を受けるのか(ファンダメンタルズ)を理解すること
- メンタルマネジメント
ではないかと思います。
個別の話はまた別の機会にお伝えするとして、私がビットコインをお勧めできない最大の理由。
それは2番目の「ファンダメンタルズ」です。
ビットコインの値動きの原因が僕にはまだ理解できません。
と、いうよりは不可抗力的な要素が多すぎます。
これまでのお金と仮想通貨の違い
日本では紙幣、貨幣の発行は日本銀行が行っています。
1万円札の発行原価は20円程度とのことですが、その紙切れに対し、信用があるからこそ商取引において利用されるわけです。
ですので、発行国の信用状況や経済状況などに影響を受けることは容易に想像できます。
為替の価格変動は2つの通貨の相対的な評価差です。
例えば、ドルを発行するアメリカの景気が上向き、金利の上昇が見込まれ、一方で日本円は低金利が継続すことが予想されるので、長期的には円安ドル高方向に向かうと予想できます。
もちろんそんな単純な話だけではなく取り巻く様々なほかの要素も影響するので実際にはもっと複雑です。
しかしながら、そこには発行国への信用があるからこそ安心した取引が成り立つのだと思います。
一方、ビットコインは「発行」という概念がありません。
あえて言うならば「マイニング」という手法により「採掘」されている分が「発行」に当たると考えられます。
ビットコインはブロックチェーンの手法を用いてその信頼性を維持しています。
詳しいことは省きますが、この過程で支払われる手数料が「採掘」と言われているようです。
ビットコインは2100万以上は採掘されないように上限が設定(設計)されています。
そこに達すると新たには市場に供給されなくなるということです。
ビットコインを発行するのは国などではありません。
そこに「絶対安心な設計になっているので信用してください」と言われても今はまだ私は不安を感じます。
さらに、ビットコインの価値が今後上昇するとすれば「利用者の増加」がひとつの要素になります。
今回の大幅な下落の原因の一つは「中国が仮想通貨の取引規制を行うかも」というものだったといわれています。
プレイヤーが減少し、流動性が下がったり、需要が落ち込めば当然価格は下落するだろうと予想されます。
実際に規制されなくても「思惑」で動くのが相場なので、「デマ」「噂」でも価格は変動します。
しかも、現状のビットコインのプレイヤーは一部の国の一部の年齢層に偏っていると考えられ、同じ情報をもとに一気にトレンドが変わると予想されます。
さらに、証拠金取引で参加している人も多いと思われます。
証拠金取引、すなわち実際に投資している資金を担保にその金額よりも大きい金額の取引をしているような場合には、一定以上の値動きで強制ロスカットが発生します。
すると売りが売りを呼び想定以上に値を下げることになる。
今回の暴落はそんな結果だったと考えられます。
実際に自分の資産を投下している以上、殖やしたいと考えるのが当然でしょう。
しかしながら、このような環境の下で取引されているビットコインをはじめとした仮想通貨は堅実な資産運用ではなく「投機」「ギャンブル」だといえそうです。
今後、プレイヤーが増えるとともにプレイヤーの属性が平準化されていけば値動きは落ち着くのでしょう。
現在参加しているプレイヤーが「ギャンブル」であることを承知で参加しているとすれば、落ち着いてからでは面白くないのかもしれませんが。