千葉真一さんのご冥福をお祈りします
先日、アクション俳優の草分けである千葉真一さんがコロナウイルス感染症によりお亡くなりになられました。つい最近までお元気に仕事をされていたようですので、改めてコロナの怖さを感じざるを得ません。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
千葉真一さんが起こしたジャパンアクションクラブ(JAC)は、真田広之さんや志穂美悦子さんなどを筆頭に非常に多くのアクション俳優を輩出しています。アクション俳優して事業家として一時代を築いてこられた方であり、映画・テレビの分野での貢献は計り知れません。
亡くなられたのは8月19日。
まだ10日余りしかたっていませんが、相続をめぐってのトラブルが発生しているという週刊誌の記事がありました。ゴシップ記事の可能性もあり、あまり深く立ち入るつもりはありませんが、相続対策の事例としては参考になるところもありますので取り上げさせていただきます。
2度結婚され、最初の奥様(野際陽子さん)との間に1人(真瀬樹里さん)、二人目の奥様との間に2人(新田真剣佑さんと眞栄田郷敦さん)の子がいます(とされています)。すでに二人目の奥様とも離婚されているようです(実際に戸籍調査をしたわけではありませんので、あくまでも報道等で知ることのできる範囲のみですが)。これが事実であり、ほかにお子様がいなければ相続人は3人の子ということになります。
最期の住所地は千葉県のようですが、そのほかにも別荘などの不動産も所有されているようです。
アクション俳優としてハリウッド映画にも出演するなどの活躍は知られるところですが、週刊誌の記事によると自身が製作費をつぎ込んだ映画が不入りで大きな借金を抱えたり、俳優養成所の金銭トラブル問題があったりしたこともあるようで、借金も少なくないようです。お亡くなりになられた後には借金取りがやってきたとのこと。
直前まで元気に仕事をし、まだまだ続けるつもりであった考えられること。また、自身の判断で積極的にビジネスに投資してきたことなどから正確に財産の状況を把握している人は少ないようです。
さらには、先祖代々のお墓があるものの、ご自身の親交があったお寺にお墓を購入。しかし、親族や関係者はそれを知らなかったため困惑している、などということも記事に書かれています。
俳優として、また事業家として活躍されてきた方であることから、どのように資産管理されていたかはわかりませんが、財産の特定は難しいであろうことが予想されます。
まだまだ元気で仕事をされるおつもりだったことから遺言書もないようです。
週刊誌の記事をもとにしていますのでわからないことだらけです。
実際に相続に関するご相談をお受けする際にはご親族の方のお話をしっかり伺い、事実確認をさせていただき、必要に応じて資料などもご提供いただいて手続きを進めます。
ご家族の仲が良ければ、話合いをされればよいのですが、今回のケースの場合、
- 相続人がそれぞれ海外でのお仕事もされており、忙しく、話し合いがスムーズに進まない可能性がある
- 相続財産の特定に時間がかかる
- 負の財産(借金)もあり、その額によっては「相続放棄」という選択肢もあり得るが、3か月の期限内に判断しなければならない
- 遺言書もなく、墓のこと、財産の分け方のことなど被相続人がどのように希望していたかわからない
などといったことが問題になりそうです。
一般的に相続対策というと相続「税」対策を思い浮かべる人が少なくありませんが、本当に重要なのは「円満、円滑に次世代に資産を承継すること」です。
いずれにしてもいつかその時は訪れるのですが、元気で過ごしていても突然その時が訪れることがあります。
生前から準備することによって後に遺される人の苦労を軽減することこそ、相続対策の最大の目的です。